のはらうたを代表に、野に生きる虫や草花のこころを歌う工藤直子さんの詩と、里山の自然をテーマに写真を撮り続ける写真家、今森光彦さんの写真が融合。
1冊の本になりました。
クヌギの雑木林に生きる様々な生き物たちや風景が、1本の古いクヌギの木“クヌギおやじ”を通して語られています。
ページをめくるごとに、詩、写真、詩、写真と交互に展開されていきます。
見開きいっぱいの写真は、どれも色鮮やかで美しいものばかりです。
たとえば朝の光のやさしさだとか、風の気持ち良さだとか、緑の美しさとか、虫たちの命の輝きなど。
自然と向かい合うことによって学ぶことも多いような気がします。
クヌギおやじがそびえているのは滋賀県。
琵琶湖の西北にある、とある雑木林だそうです。
ちいさいおうちのあるここ岡崎も、近頃はずいぶんと自然が減ってきました。
この本を読んで、なつかしい、あるいは新しい、自然の世界に思いを馳せてみるのもいいかもしれません。
枝のアンテナを伸ばし、風のはこんでくるニュースを受け取り、クヌギおやじは今日も語ります。
命の輪を、現在、そして未来に伝えるために。
(文:小人店員)