南半球の小さな島の、小さな鳥たちに降りかかった危機と、そこで起こった大きな奇跡の物語。
ニュージーランドの東、チャタム諸島のリトル・マンガレ島。
このリトル・マンガレ島にしか生息していない鳥、ブラックロビンは絶滅の危機にありました。
1979年に行われた調査では、ブラックロビンの数は世界中でたったの5羽にまで減っていたのです。
この絵本は、ブルーと名付けられた1羽のブラックロビンの雌と、ブラックロビンを絶滅の危機から救おうと努力した研究者たちの、努力と感動の記録です。
ブルーは、世界に5羽だけ残ったブラックロビンの中の1羽です。
研究者たちが識別のために足に巻いたバンドの色からブルーと名付けられました。
ブルーはこの時9才。
平均寿命が4~5年といわれるブラックロビンの中では相当な年寄りです。
そこから、ブルーはオールド・ブルー(年取ったブルー)と呼ばれるようになりました。
このオールド・ブルーが、高齢でありながらその後たくさんの卵を産み、たくさんのひなを育て、13才でその生涯を閉じるまで、研究者たちと共同でブラックロビンを絶滅の危機から救い出すことになるのです。
羽毛の1本1本まで細密に描かれたイラストもこの絵本の魅力。
この黒い小さな鳥に、思わず感情移入してしまいます。
(文:小人店員)