表紙カバーの女の子が浴衣をお母さんに着せてもらっているところからお話は始まります。
女の子の弟と友だちは、団地の近くの広場であるお祭りに出かけます。弟は金魚釣りを一所懸命しますが、2度も破けて失敗。やきもきしたお姉ちゃんが挑戦するのですが、だめ。
結局金魚を2匹もらいますが、弟はくやしくて泣けてしまいます。
お姉ちゃんたちとも話したくない。
しばらくすると、ポケットにおこづかいが残っているのに気づきます。
そしてわたあめを買うことにしました。
するとそのわたあめは急に男の子の手元を離れ、おばけになりました。
ポワ~ンと、たのしげなわたあめのおばけ。
このおばけは明るい時は木で休み、夜になるとシャキッとして出動。
“ワタワタワタ…”と夜空へ飛んでいきます。
ケガをした小猫をわたあめで治してやり、ギュッと抱きしめペロリとなめてやると、小猫もペロペロとわたあめおばけをなめます。
すると不思議。
元気になりました。
実はあの男の子、風邪で寝込んでしまいました。
わたあめおばけは男の子をベッドからそーっと連れ出し、夜のプールへ。
ふたりして楽しく遊ぶのです。
最後にまたペロペロペロンとなめ合うと…
翌朝、男の子は元気になりました。
よかった!
ほら、わたあめおばけは昨晩のプールの夢でもみているのかな。
木の中で眠っていますよ。
擬態語擬音語のみのサイレント絵本です。
作者初めての試み、小さい子の絵本にしては珍しいと思います。
作者は今年(2004)2月に岡崎に来て頂いたとよたかずひこ先生。
彼のあたたかさやユーモア漂う、すてきな絵本です。
新刊。
(文:浅井店長)