『おまえうまそうだな』『おれはティラノサウルスだ』に続く、ティラノサウルスシリーズの第3弾。
『おまえうまそうだな』では自分から立ち去り、『おれはティラノサウルスだ』では相手に逃げられてしまったティラノサウルスですが、第3弾でついに本当の友だちと呼べる仲間に出会えます。
シリーズといっても、それぞれのお話は独立しているので、3冊のどれから読み始めてもいいし、1冊だけしか読まなくても全然大丈夫です。
昔々、大昔。
暴れん坊で意地悪でずるくて自分勝手な恐竜のティラノサウルスがいました。
ある日、ティラノサウルスはスティラコサウルスの群れを追いかけますが、誤って海に落ちてしまい…
宮西先生の作品はやさしさと思いやりをテーマにしたものが多いですが、この絵本もやさしさと思いやりにあふれています。
人のやさしさに触れたとき、自分自身もやさしくなれる。
そんなメッセージが、このシリーズには込められているような気がします。
あの鮮やかで独特な絵柄も健在。
単純にベタ塗りしただけにみえて、味のあるいい絵です。
ひとりで読むなら小学校低学年くらいから。
(文:小人店員)