今週の本は『ピーマン村の絵本たち』シリーズの中から、『ちいさいおうち』でもっとも人気の1冊を紹介します。
秋の風物詩、焼きイモでおなじみのさつまいもが、この絵本の主人公。
ピーマン村のおいもたちは、土の中で人間と同じように生活しています。
ごはんを食べたり歯みがきしたり体操したり。
秋が来て、ピーマン村の子どもたちがおいもほりにやってきました。
根っことツルをそれぞれ持って、おいもたちと子どもたちの綱引き合戦。
さて、勝負の行方は…?
村上康成先生の描かれるおいもたちがかわいらしい、不思議な魅力にあふれた絵本です。
文章も簡単で、小さいお子さんからでも楽しめる内容になっています。
何かを伝えるとか、教育目的とか、そういうのではなく、純粋に絵やお話を楽しむための絵本だと思います。
でも、絵本って本来はそういうものなのかも。
子どもだって、説教臭い絵本を親から渡され、「読め」と言われて読むよりも、自分で選んだ面白そうな絵本を読むほうが何十倍も楽しい。
勉強しなくていい。
感動しなくていい。
考えなくてもいい。
頭の中を空っぽにして、気の向くままに絵本を読む。
そんな時間が、幼少期には本当は必要なのかもしれません。
(文:小人店員)