20代の人に、「子どもの頃読んだ絵本で印象に残っているものは何ですか?」と聞いたとき、『ぐりとぐら』(福音館)と並んであげられる本。
初版発行から30年を経た今でも子どもに読み親しまれています。
さくらほいくえんには、こわいものがふたつあります。
ひとつはおしいれで、もうひとつはねずみばあさんです。
押入れは、給食の時間や昼寝の時、騒いで静かにしない子どもがいると先生に閉じ込められる場所。
ねずみばあさんは、先生たちがやる人形劇に出てきます。
猫もひとにらみで動けなくしてしまうねずみばあさんを、子どもたちはとても怖いと思っています。
ある日、昼寝の時間に喧嘩して騒いでいたさとしとあきらは、押入れに閉じ込められてしまいます。
そこから奇妙な世界に迷い込んでしまった2人は、怖い怖いねずみばあさんに追いかけられる羽目になって…。
絵はほとんど白黒で、文章量もかなり多く、一見すると子どもが読むには少し難しい本に感じられるかもしれません。
ところがどうして、小さい子でもぐいぐい読めてしまう勢いがこの本にはあります。
文章は全てひらがなで、文節ごとに区切られていることも読みやすさの一因かもしれません。
ドキドキワクワクという言葉がぴったりの本。
男の子に特におすすめ!
(文:小人店員)