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バックナンバー2005年5月第4週

『なつのいちにち』
はたこうしろう:作 (偕成社) \1,050

まぶしい夏の陽ざし、青い草のにおいの中を男の子はクワガタをつまかえるためにひとりで山へ走っていく。

文はほとんどないので、あっという間に読めてしまうけれど、それではもったいない。
もっと絵本を見て、もっと音を聞いて、おとなも子どもと夏の話をしようよ!

読むたびに新しい発見がある本。

5歳くらいから。

(文:霜田)


夏の強い光に照らされたまぶしい白や、それに相対する濃い影、鮮やかな緑がみごとに表現された絵には一見の価値があります。
いえ、一見といわず、じっくりとよく見てもらいたい絵本です。

この絵本のカバーの前袖にはこんな文章が書かれています。

この えほんの なかに
あなたの
なつの おとは
きこえますか。

この絵本を眺めていると、本当に絵本の中から夏の音が聞こえてくるような気がしてきます。
もちろん、人によってその音は違うでしょう。
それがその人にとっての「なつのおと」なんだと思います。

夏休み、せっかく田舎のおじいちゃんおばあちゃんの家に行ったのに、1日中携帯ゲーム機で遊んでいるよりも、雑木林の中を走り回ったりクワガタを捕まえに行ったりするほうが健康的だと思いませんか?

怪我がなんだい。
服の汚れがなんだい。
クワガタはやっぱり、男の子にとっての憧れなのです。

(文:小人店員)

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