今週紹介する2冊の本はどちらもロシアのお話です。
どちらの本にもヤギが登場します。
今度はかしこい子ヤギが出てくるお話。
むかしむかし、ある村に、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
ある日、おじいさんは粘土をこねて小さな男の子の形にこしらえました。
粘土の人形を火にあてて乾かすと、突然人形が動き出しました!
「ぼく、ねんどぼうや! おなか ぺこぺこ!」
家中の食べ物を与えても、ねんどぼうやは満足しません。
「もっと! もっと!」
庭で飼っているにわとり、あひる、犬や猫まで食べてもまだ足りません。
とうとうおじいさんやおばあさんまで飲み込んで、村中の人や動物を襲い始め、どんどんどんどん大きくなっていきます。
とうとう村中のものを食べ尽くし、村の外に出て行きます。
丘の上には金色の目をした子やぎが草を食べていました。
ねんどぼうやは叫びました。
「おまえ うまそう!」
さて、自分よりもはるかに大きなねんどぼうやに対して、子やぎのとった作戦とは…?
物語の最初はほほえましく、徐々に恐ろしく、そして最後は気持ちよく大逆転するお話。
緻密かつ迫力のある絵が見開きいっぱい使って載せてあるのもこの絵本の魅力の1つです。
「やまねこ翻訳クラブ」主催で、毎年優れた翻訳作品に贈られる「やまねこ賞」絵本部門1位を獲得した訳文と一緒にお楽しみあれ!
(文:小人店員)
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