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バックナンバー72

友だちって

暑かった夏も終わった。
この夏休み、子供たちは、真っ黒になって、各地で球技大会で競い合った。
その時の出来事、試合に負けたチ-ムの子供が、一人の子に
「あんたのせいで負けたんだよ」
他の子も
「そうだよ」
と同調する。
でも、Aちゃんだけは
「違うよ。
みんな、がんばったよ。
一人のせいにしちゃあいかんよ」
と顔を赤くして言い張った。
子供って、ややもすれば負けたことをとやかく言いたがる。
周りの大人が、ただ勝つこと、結果を求めるだけであったら、子供だってなおのことそうなるのも無理はない。
仲間の失敗をチ-ムみんなの力で補い合う、そのために一人一人が自分なりに力をつけ合おう、こんな心のつながりを創り出すために練習があり、大会もあるのではないのかな。
汗みどろになってがんばったAちゃんは
「みんなで、みんなが強くなろう」
の一言を胸にたたみこんで練習に励んだという。
子供の心って、子供を取り巻く大人の行い、言葉によって熟成されていく。
常日頃の生活の中でも、ありのままの子供に温かい、ある時は厳しい一言を投げかけてやりたい。
負けたことを人のせいにした子、言った後、寂しかったろうに。
『あのときすきになったよ』薫くみこ(教育劇画)
わたしの後ろの席の子は、おしっこもらしてばかりいるから「しっこ」って名前にされちゃった。
しっこさんは、少ししかしゃべらない。
いつもおこったみたいな顔をしている。
『ぜっこう』柴田愛子(ポプラ社)
あいこが絶交中のしゅんたろうのことを
「ずっとつらそうだった。
人が人を許せないってよっぽどのことだよ。」
という。
友だちって何かな?
(文:石川 貢)

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