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がんこおやじ

私たちの「みどりの寺子屋」が、文化庁委嘱事業「伝統文化子ども教室」の認定を受けた。
これは三年もの間、地域のお年寄りの方々が、子どもたちに、和太鼓、竹細工など、さまざまな技を、まさに家族のようなつながりの中で教えてきていただいたおかげ。
昔、地域には、少なからず頑固おやじがいた。
いけないことを見れば叱りとばした。
どこの子であっても容赦はしない。
でも、その言葉は、温かかった。
少々のいたずらなら見て見ぬふり。
朝、顔を合わせれば、笑顔で、大きな声で「おはよう」って言ってくれた。
だから嫌なことなんかふっとんでしまった。
ナイフの使い方も教えてくれた。
おじいさんと作った凧はすごく上がった。
困ったことがあれば「だいじょうぶだよ」と耳元でささやいてくれた。
だから子どもたちは、おじいさんを見れば、自分から走り寄った。
そんな姿が寺子屋にある。
太鼓の練習の時、先生方は真剣そのもの。
厳しい。
でも、休憩の時は目を細くして、子供と話をしてくださる。
だから、子供だって、手のひらにまめができたって弱音を吐かず、やり通せるようになった。
『だいじょうぶ だいじょうぶ』いとうひろし(講談社)
ぼくとおじいちゃんは、毎日おさんぽ。
こわいことがあると、おじいちゃんは「だいじょうぶ だいじょうぶ」とつぶやきます。
『みててねおじいちゃん』藤田千津(文研出版)
ぼくって、おじいちゃんに見ててもらうと、何でもできちゃうんだ。
『おじいちゃんわすれないよ』B・ウストラ(金の星社)
今日は、大好きなおじいちゃんのお葬式の日。
ヨ-ストはおじいちゃんのハンカチをにぎりしめて涙をこらえて笑います。
(文:石川 貢)

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