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バックナンバー82

縦のつながり

縦のつながりがない、ということから、学校などで様々な試みが行われるようになっ た。
考えてみれば、昔はあった大きな子と小さな子とのつながりの場面は、見ることさえない。
先月、学区の夏祭りで、私たちの「みどりの寺子屋」が太鼓の発表をした。
この折、一人の六年生が、誰に言われもしないのに、二年生が使う大きな四斗樽の運搬を手伝っていた。
やってあげるのではなく、力を貸してあげているのだ。
それも一人終われば、また次の子に
「ここ持つといいよ」
と言葉をかけながら手を貸す。
縦のつながりって、小さい子が、あんなお姉さんみたいになりたいな、と心に止める、そんな関わりから生まれる。
家の中を見てみれば、あいも変わらず何でも許してしまう仲よし親子は多い。
父性の復権などと言われる。
父性とは、よその子と比較するのではなく、その子なりの考えや行いを認め、その上で人の考え、行いを大切にすることを背で教えること。
あるお父さん、
「子供の思いのままにさせています。指示はしません。でも『嘘をつくな』『人の話は最後まで聞け』『自分がした約束は守れ』これだけは強く言い聞かせています」
と。
ありのままの子を認める広さを底に置いた厳しさ、これがあるから、お父さんみたいになりたいなと感じることにもなるのではないのかな。
『となりにきたこ』岩崎ちひろ(至光社)
ちいちゃんのうちのとなりへひっこしのトラックがきた。
『パパのはらっぱママのしま』落合恵子(クレヨン・ハウス)
パパのはらっぱはすごいぞ。
ママのはらっぱは、もっとすごいぞ。
『いまがたのしいもん』S・ゾロトウ(童話屋)
わたし大きくなんないわ。
だって、わたし、いまがたのしいもん。
(文:石川 貢)

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