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バックナンバー83

小さな優しさ

お母さんが、頭が痛い、と休んでいた。
それを見た子、
「どうしたの。私が頭なでてあげると治るよ」
とお母さんの額をなでてあげた。
子供って、ある時、そんな優しさを示す。
昨日までできなかったのに、お母さんの様子を見て、こんなことをしたいと思うようになったのだ。
「お友達が病気だからお見舞いに行くよ」
と野草を摘んで花束を作り、お見舞いに行く。
優しさって、これまで自分がされて嬉しかったことを人にしてあげること。
そんな優しさが広がっていくことが、そのまま成長の証しといえるのではないかな。
こんな子供の小さな優しさを創り出すのは誰?。
勿論、子供の心に残るお母さんの笑顔あってこそだ。
周りの大人も
「最近の子供は我慢が足りん。」
などと頭ごなしにいう前に
「最近の大人って目先のことしか見ず、余裕が足りんのじゃあないかな。
自分の方からおはようも言えんようでは。」
と思ってみたら。
いつも元気に挨拶をする子が、今朝は一人で黙って通り過ぎる。
「どうした。叱られたかな。元気出せよ。みんなが待っとるぞ」
かばんを軽くたたいてそっと押してやると、にこっと笑って走って行った。
『ミンケパットさんと小鳥たち』ジェナジ-ノ(セ-ラ出版)
ミンケパットさんは古いピアノを一台買った。
そのピアノで森の小鳥たちのさえずるメロディ-をひいてみたいと思っていた。
『ぼくがおおきくなったらね』きたやまようこ(岩崎書店)
原っぱでみんなが話してた。
「大きくなったらどんなことしたいかな」。
『おじいさんの小さな庭』シャイドル(西村書店)
花の大好きなおじいさんには、花や小鳥のいうことがみんなわかる。
(文:石川 貢)

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