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十年たった本屋さん

「自分が子育てをしていた頃は、路地で遅くまで遊んでいる子がいれば注意してくれるおばさんがいた。
今は、そこに子供はいない」
と、あるお年寄り。
文部科学省によると、この十年、小学校の子供が起こした校内暴力は倍増しているそうだ。
ちなみに昨年度は一八九〇件、前年(一六〇〇件)に比べると、ほぼ一八%増にもなる。
感情のコントロ-ルがきかない、切れる子が増えたと言う。
よい本を子供の手にと願って「ちいさいおうち」を開いたのが、十年前のこの三日。
「のぞく子があれば、どんな子でも気がねなく入れるように笑顔で声をかけてやろう、自分で手に取って本を探せるように、でも、本の扱いだけは教えなくては、読み聞かせは続けよう、本のこと、子育てのことでも、とまどっている方を見かけたら、すぐ近寄って話しかけよう」
と行い続けてきた。
あるお母さんスタッフは
「本好きな子は、外でもいろいろな子といろいろな遊びをしています。
相手の気持ちを考える、遊びを創り出す、時には悪さをしてもすごく健康的なんです。
切れる子なんていません」
と自信を持って言う。
子供を本嫌いにすることはたやすい。
読み終えたら本の中身をあれこれ聞いてみることだ。
つまりテストをする。
たぶん親は、子供が中身を理解できたかどうか不安だからそうしたいのだろうが・・・。
『どんぐりのぼうやのぼうけん』E・ベスコフ(童話館出版)
ぼうやの家は高いかしわの木のてっぺんにある。
あらしがきて、葉っぱをさらっていった。
「わあ-、ひこうきごっこができるぞ」
『おおきなのはら』J・ラングスタック(光村教育出版)
田舎に行った時、ここに出てくる動物が野原にいるかどうか探してみよう。
そっと歩いて、よ-く見て。
(文:石川 貢)

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