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昔ばなし

ある読書調査によれば、幼い頃、昔話を読み聞かせ、語り聞かせをしてもらった経験が減っている、という。
誰もが、幼い頃語り聞き、慣れ親しんだ昔話だというのに。
あるおじいさん、一年生の孫が寝床へつくと、いつも、昔話桃太郎を語ってやるそうだ。
ところが、孫は、いつも鬼ケ島へ着く前にスヤスヤと寝息をたてる。
ある時、おじいさん「別のお話にしようか」「桃太郎がいい。ほかのお話は起きている時にして」。
物語りの中身もそうだろうが、その語り口が心地よいのか。
広々とした野山、奥山や海の向こうには鬼もいよう。
そんな世界が、古くから語り伝えられてきた語り口で目の前にあるように広がっていく。
言葉が伝える心のふるさとという。
孫も伝え、伝えしてきた人の心のあったかさを感じているのだろう。
だから同じ話を何べん聞いても、子供なりにいろいろと想像できるのだ。
日中、子供は、外で友だちと体を使って自由に遊び、疲れ切って寝床へ入る。
そしてゆっくりと昔話を聞き、その世界を自分なりに思い描いて深い眠りにつく。
今夜はどんな夢を見るのかな。
ゲ-ムで疲れた子の眠りは浅い、そんな子がよく寝坊をするという。
また、二時間以上ゲ-ムをすれば、その脳波の波形は老人性認知症の波形に似るそうだ。
心や体の健康は、快い休養によって創られるといわれる。
どうだろう。
今年のクリスマスには、昔ばなしを選んでみては。
『子供に聞かせる世界の民話』矢崎源九郎編(実業の日本社)
八十一の国々から、一つのお話を選んだ。
日本の昔ばなしによく似たお話も。
そしてクリスマスの本も一冊。
『クリスマスのおくりもの』J・バ-ニンガム(ほるぷ出版)
おじいさんサンタは一つだけ贈り物を配り忘れた。
でも、トナカイは眠ってしまっている。
(文:石川 貢)

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