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バックナンバー86

顔の見えるつながりを

「人を見たら泥棒と思え」。
顔が見えない、信頼できない、こんな世の中になってしまった。
こんな大人がいる。
子どもが挨拶しても知らぬ顔、犬の糞はそのままに行ってしまうなどなど。
また、子供を含む、とある行事で、言われて参加したのだろうが、子供と話すわけでもなし、座り込んで、あれこれとただ命令している口先だけの大人。
えてしてそんな大人が
「近頃の子どもは」
などと言う。
こんな大人が偉そうなことを言ったって、子供の心に通じるわけがない。
子供って、大人の姿をよく見ている。高校生が自転車の二人乗りをしていた。
「危ないぞ。やめろ」
と言った所、こっちを見てから
「なんだ、おじさんか。ごめん」
と、素直に頭を下げて行った。
どうだろう。
お母さんはもちろんだが、時間が許せば、登校時、家の外へ出て声をかけ、姿が見えなくなるまで見送ってみたら。
子供から返ってくる言葉を聞けば満更でもない。
毎日続ければ楽しくなる。
そんな行いの積み重ねの中で顔も見えてこようし、信頼も生まれてくるのでは。
人と人とのつながりって、心が通じ合うことなんだと、教えるのが大人の役割ではないのかな。
信頼できない世の中だからこそ、せめて隣近所、町内ぐらいは顔の見えるつながりを創りだしたいもの。
『ゆらゆらばしのうえで』きむらゆういち(福音館書店)
何日も雨がふったので、端は一本のまるただけだった。
そこへうさぎがやってきて、きつねがおいかけてきた。
『だんだんやまのそりすべり』あまんきみこ(福音館書店)
山の子は山ぞりが大すきだ。
でもいっちゃんは、すべりたいけど、山からすべるのってこわいの。
『こころからあいしてる』J・バロニアン(評論社)
「お母さんは君を心から愛してる」
「心からって」
(文:石川 貢)

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